オーブ名作劇場

『アスランくんのクリスマス』

昔々オーブという国のある街に、アスランくんという善良な男の子が一人住んでいました。

オーブはたいへん豊かな国でしたが、アスランくんは両親を亡くし、
一人でプラントから移住し小さな家で慎ましやかに生活をしておりました。

アスランくんには誰も友達がいません。

なぜならひどい街の人たちは彼を、｢余所者」と呼び、蔑んでいたからです。

「汚い家だなぁ〜！ぼくんちの犬小屋くらいの大きさだよねん？」

「やめろ・・・！やめてくれユウナ・・・！」

「TVもない家だなんて〜！きみ、ガンダモ見てないんだろぉ？」

「・・・あ、あぁ・・っ」

「ふふふっ！なぁんて家なんだろうねぇ〜！行くよん、カガリ♪ここに居たらくさっちゃうん〜！」

「・・・う、うん・・・ユウナ・・・」

「（・・・カガリ）」

「（アスラン・・・）」

街１番の大金持ちセイランの息子ユウナは非常に根から気持ち悪い男で・・・
アスランの想い人のカガリをアスハ家から金にものを言わせて力ずくで奪ったのです。

けれど優しいアスランくんは、それでもユウナや街の人を恨むことなく、
ハツカネズミのアスタローといっしょに日々を過ごしていたのです。

「いいのさ・・・アスタロー。俺はカガリが幸せなら・・・」

『ちゅー（・・・アスランくん・・・）』

そんなある日のことでした。

アスランくんがいつものように床に着いて眠りについた時・・・

シャンシャン、という美しい音色が聞こえてきたのです。

「アスラン・・・！アスラン！」

そこに現れたのは、なんとミニスカサンタ姿のカガリでした。

今は１２月。

そう、クリスマスの季節がやってきたのです。

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