「・・・・・・・に、にあわ・・な・・い」

 

純白のシルクのネグリジェは、お世辞にも自分には似合わない・・・。
こういうのはもっと可愛い子が着るんだろうな・・・。

 

沈んだ気持ちを振り払って、次に選んだのはアスランの好きな赤。
ちょっと色っぽく見せることができそう。
そう、可愛さでダメなら今度は色気だ!!
・・・・・・自信ないけど・・・・。

 

鏡に映った自分を見て、やっぱりしょげてしまった。

 

「・・・・・・・・・・・はぁ・・・」

 

 

色気がない。


世の中の女性はみんな綺麗で可愛いくてドキリとするのに、
自分だけはどうしてこうなんだろうか。
こんなに可愛くないお嫁さんでいいのか・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・馬鹿!
なんでこんなネガティブになってんだ!

アスランは私を選んでくれたんだぞ。
だったら、可愛くないって嘆くより、可愛くなるよう頑張るんだ!

 

「・・・・・・・よしっ!」

 

赤色も、白色のも、私は思い切って購入した。


あ、アスランが喜んでくれたら・・・嬉しいな・・っ

 

 

 

 

 

 

 

店を出たあと、タクシーを呼ぼうと公衆電話に向かったら、
さっきの本屋の前を通った。


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


初めての夜、失敗したくないな・・・・。
私、本当にアスランが初めての相手になるから、
もしかしたらとんでもないことやっちゃうかもしれない・・・。
嫌われなくない。アスランにいっぱい喜んでもらいたい・・・。

恥ずかしいけどこっそり購入してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 


「たくさん買い物しちゃったなぁ」

思っていたよりも色んなものを購入した。
すべてアスランとの結婚生活のため。
アスランの可愛いお嫁さんになるため・・・

「えへへ」

もうすぐやってくる、その日、を思うと
1人きりなのに頬が緩んでにやけてしまう。
アスランも同じように思って感じてくれていたら嬉しいな。

 

 


「カガリ!」
「え?」

誰かが私の名前を呼んだ。
幸せな思いにひたっていた私が慌てて振り向く。
この声は、間違いない。

 

「あ、アスラン・・・!」

 

目の前にいたのはアスランだった。
駆けよってきて私に手を伸ばし、いつものように触れてくる。

 

「アスラン、どうしてここに?」
「買い物に来てたんだ。カガリは?」
「私も買い物だぞ。すごい偶然だな!」

私がそう言うと、アスランはにっこり笑ってくれた。

「カガリは何買ったんだ?」
「え・・・・!?」

何買ったって・・・
そんなの・・・・アスランとの夜のために・・・色々買っただなんて・・・

「ひ、秘密!アスランこそ何買ったんだよっ」
「え!?」

アスランも私と同じように驚いた。
暫く答えにつまっていたけど、私がじっと見ていたらゆっくり口を開く。

「お、俺も秘密・・・かな?」
「えぇ!?」
「まだ秘密」

「わ!」

 

 

そう言ってごまかすようにアスランが抱きしめてくる。

もう!おまえ、ずるい!
そんなふうにされたら、ドキドキして問いただせないじゃないか!
でも抱きしめてくれたアスランの心臓も早く鳴っていたから、許してやるぞ。

 

ぎゅってされた後、アスランがそっと私の身体を離して言った。

「カガリ、いっしょに帰ろう。家まで送るよ」
「うん!ありがと、アスラン」

そうして私はアスランに家まで送ってもらうことになった。

でも、不思議な感じだな。
もしかしたらこれが、アスランに送ってもらうのって最後になるんだ。

 

だって、次に会うときは、私はアスランのお嫁さん。

 

世界一幸せな花嫁なんだ!!


 

 

 

 

 

 

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