PHASE03

 

 

 

 

 

 

 


今日はアスランといっしょに買い物だ。
待ち合わせ場所に少しだけ早く来たら、すでにアスランが待っていてくれた。

「アスラン!お待たせ・・・!」
「カガリ・・・!」

声をかけると振り向いてくれて、その手を私に伸ばしてくれる。

あぁ、キスの合図だ。

いつだって、私を見つけるとその手で頬に触れてキスをしてくれる。
でも、キスする前に私が周りに人が居ない事を確認してきょろきょろしてると、
アスランがくすりと微笑んだ。


「わ、笑うなよ・・・」
「ごめんごめん。カガリ・・・・・・」


甘い雰囲気のまま、私は目を瞑った。
それが私のキスの合図。

 

 

アスランの唇は柔らかい・・・。
とってもあったかくって大好き・・・。
少し長めのキスを終えると、ゆっくり唇を離す。

「ん・・・・・・」

キスの後はいっつも照れくさくって私から目を逸らす。
ちょっとは慣れたはずなのに、やっぱりすごく恥ずかしい。
逸らしたままでいたら、アスランが「可愛い」とだけ言ってまた私の頬に触れてきた。

「わ!」

 

 

今度は角度を変えてキスされる。
いきなりのことだったから、ちょっと心構えができてなかった。
けれど、やっぱりあったかいキスは心地がいい。

 

 


2度目のキスが終わった後、アスランが私の手をとった。
「行こうか?」
優しく言われて私はその手を握り返す。

歩幅を合わせてくれるアスランと並んで歩き出した。

 

 

 


今日は二人でぶらぶらとあるお店を覗いてみることにした。
この店はどんなものでも揃っているから、とっても楽しめる。

 

 

 

 

 


「アスラン!この服どうだ?」

私がアスランの洋服を見立ててあげた。
好きな人に似合うものを考えるのって楽しいな。

「試着してみろよ?」
「うん」

私が選んだ服を持って試着室に行くアスラン。
気に入ってくれたら、プレゼントしよう。
いつもアスランが贈ってくれるばかりで、私はなんにも返せてないから。
少しでも喜んでくれれば嬉しいな。

 

「お待たせ、カガリ」
「わ・・・!おまえ似合う・・・!」
「そ、そうか?なんだか照れるな」

 

そう言って恥ずかしそうに頭をかくアスラン。
なんだかいつもと立場が逆転してる。
アスランが可愛い。
・・・・・・でも、すごくかっこいい。

「気に入ったか?」
「あぁ」
「じゃ、私がプレゼントするぞ!」
「えぇ!?い、いいよ・・・カガリっ」
「ダメだ。プレゼントしたいんだ!」
「カガリ・・・・」
「もらってくれ・・・?」

ここで断られたら、逆に悲しいし、寂しい。
どうしてももらってほしいなんて私の我侭だけど、
やっぱり、アスランに何かプレゼントしたいんだ。

じっとアスランを見ながら願いをかけるように説得すると、
アスランの眉が下がった気がした。
照れたように笑う時、彼はこうなる。

「わかった。ありがとう。大切に着るな」
「うん!」

嬉しそうに笑ってくれたアスラン。
すごくすごく嬉しい・・・!
私はこの服を持ってレジへと向かった。

 

 

私がお会計をしてる間、アスランが店員さんと何か話し始める。
会計を終えた私は、アスランと店員さんが話してるその間、店内をぶらついてみる。

 

 

ふと、目に止まったものがあった。

 

 

 

 

「綺麗・・・・・」

 


それは指輪だった。
ダイヤモンドやルビー、キラキラ輝く宝石たち。

 

おかしいな。
私、こういうの興味がなかったはずなのに・・・。

指輪を見てると何故だか胸が鳴り始めた。

 

私には似合わないってわかってる。
わかってるけど、どうしても魅入ってしまう。

 

いつか、誰かから贈られたい。

 

きっと、それは―――――

 

 

「カガリ?」
「・・・・・あっ」
「カガリ・・・指輪見てたのか?」
「あ!ごめん!違うんだ・・・!」
「・・その・・お、俺が・・・・」
「もういいから!行こう!」
「え・・・」

 

アスランの腕を引っ張った。

恥ずかしい。
私には似合わないって思われてる。
物欲しそうにこんな高価なもの見てたなんて、イヤらしい子だと思われたかもしれない・・・!

なんとか話題を変えたかった。

「お、お腹空いたな・・・!」

それほど空腹ではなかったけど、ちょうどお昼時だ。
話題転換にはもってこいのネタだ。

「・・・・そうだな。食事しようか」
「うん!」

成功したようでホッとした。

 

 

 

近くのレストランに入って料理を注文する。
注文した品がくるまでの間、アスランが私の肩を抱き寄せてきた。

 

「あ・・・」

 

そうして、囁くように語りかけてくれる。

 

 

「カガリ・・・・さっきの指輪・・・・」
「・・・・・!わ、忘れてくれアスラン!」
「え?」

さっき見ていた指輪のことを、また尋ねられるなんて思ってなかった。
できればもう忘れたいのだ。

「指輪見てたの・・・忘れて・・・」
「カガリ・・・・」
「頼む・・・・」

 

恥ずかしさで逃げ出したい。

きっとアスランは私に似合わないってそう言いたいんだ。
でも優しいから言えないんだ。
アスランにそんなこと言われたら、わかっていることなのにきっと立ち直れない。
だから何も聞きたくないんだ。

 

「ん、わかったよ」

 

泣きそうな顔をしていたら、瞼に小さなキスをしてくれた。
そのすぐ後、料理がきたので食事を始める。

 

 

それからアスランは、指輪のことは一切触れてこなかった。

 

 

 

 

 

 

アスランが家まで送ってくれた後、私は1日の疲れでベッドにうつ伏せた。
楽しくて嬉しくて幸せで・・・・恥ずかしい日だった。

アスランは楽しめただろうか?
私があんなこと言ってイヤな思いしてないだろうか?
本当は、指輪が欲しくなったって言えばよかったんだろうか?

 

 

 

本当は・・・・

 

 

ホントはアスランから約束の指輪をもらいたかった。
似合わなくったって、アスランからプレゼントされたいんだ。

 

そして、ずっと一緒にいたい。

 

 

 

 

 

 


その日、私は夢を見た。

 

「おかえり!」ってアスランを出迎える私。

「ただいま」って言いながらキスしてくれるアスラン。

私の作った料理をアスランが美味しそうに食べていてくれて、

私は一生懸命家事をする。

 

 

 

背中越しに聞こえるアスランの「美味しいよ」って優しい声が、
胸をぽかぽかさせて、幸せにしてくれる。

夢だってわかってるのに、それはとても温かくて、幸せだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「アス、ラ・・ン・・・・・大好・・き・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

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